勉強と執筆(by友岡)

これまでのブログを読み返してみたら、年末年始は夜遊びばかりしていたみたいですが、決してそんなことはありません。仕事もしていました。
ただし、何を「仕事」と言うかが問題です。
ボクの職業は学者ですが、学者の「仕事」は何か?


学者の「仕事」は要は、勉強したり、本や論文を書いたりすること、ですが、この「勉強」というのがなかなかクセ者(?)です。
勉強しないと書けないし、勉強し過ぎても書けない、からです。
(知らないと書けないし、知り過ぎても書けない、考えないと書けないし、考え過ぎても書けない、と言い換えてもいいでしょう。)


また、「勉強」については、すぐには役に立たない‘無駄な勉強’こそ大切だ、などとも言います。


もっと若くて時間が沢山あったときには‘無駄な勉強’もしましたが、忙しくなって時間の余裕がなくなってくると、すぐに役に立つ勉強(=目の前の原稿の執筆に直結する勉強)しかできなくなってきます。


この年末年始は‘無駄な勉強’をし過ぎたので余り書けませんでした。


というわけで、勉強=仕事、なら、最近はよく仕事をしている、ということになりますが、執筆=仕事、なら、最近は余り仕事をしていない、ということになってしまいます。


年末に大学院生のH君の修士論文のドラフトを添削していたら、これがなかなかに高質の論文で、テーマもとても面白く、ついつい色々と考えてしまい、添削にとどまることなく、関連する本や論文にも手を拡げて「勉強」してしまいました。そうしたなか、(12日29日のブログに紹介した)『笠井昭次先生古稀記念論作集』(全6冊!)が届き、これが上記のテーマとかなり重なっていたので、これも「勉強」してしまい、その後、さらに諸文献を「勉強」してしまいました。
というわけで、仕事(=勉強)はかなりしましたが、仕事(=執筆)はイマイチでした。


でも、やっぱり、書かなくてはダメ、です。
(同業者の中には、勉強は沢山するけど書けない人、というのが結構います。)


そろそろ「仕事」に戻らなくては。