本のタイトル(by友岡)

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新刊!
『会計士の誕生――プロフェッションとは何か』(税務経理協会

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本のタイトルは、決まるまでに、かなりの紆余曲折があります。
本は、売れるためには、中身はもちろん大事ですが、それはさておけば、タイトルがとても大事です。最近の出版業界は、タイトルで勝負、というところもあるため、あれがいい、これがいい、と、色々な意見が出てきて、なかなか決まりません。
もちろん、まずは著者の意見があって、それから担当の編集者の意見があって、それから出版社の‘上の方の人’の意見があって、という感じです。
(むろん出版社によって事情は異なりますが。)


(以下、サブタイトルは省略します。)

今回の『会計士の誕生』は、著者(ボク)の元々のタイトルは
『会計士はどこからきたのか』
でしたが、原稿を出版社に渡すときに、もうひとつの案として『会計士の誕生』も添えました。
その後、
『会計士の世界』
『会計士の扉』
『会計士とは何か』
などの案も出されましたが、珍しく(?)もめることもなく、『会計士の誕生』に決まりました。


去年の8月に出た『会計学はこう考える』(ちくま新書)は、最初の内は
『会計とは何か』
というタイトルのつもりで書いていたのですが、書いている内に、内容的に
会計学とは何か』
に変わってしまいました。そこで、原稿を出版社に渡すときには、『会計学とは何か』を仮タイトルとしました。
しかし、同じ筑摩書房に『経済学はこう考える』(ちくまプリマー新書)という本があるのを知っていたので、(出版社に迎合的に?)『会計学はこう考える』を第2案として添えたら、そのままそれに決まってしまいました。


以上の2冊のタイトルについては問題はないのですが、約3年前に出た『会計の時代だ』(ちくま新書)のタイトルについてはかなり後悔しています。
この本は執筆時の元々のタイトルは
『会計と会計士との歴史』
でしたが、むろん、こんな地味なタイトルで出せるわけはない、と思っていました。
その後、
『会計はつまらない』
『これも会計学だ!』
『会計はつまらない。だから歴史だ!』
『会計はどこからきたのか』
など色々な候補を考え、色々な人にアンケート(?)までして
『会計はどこからきたのか』
を選びました。このタイトルは自分でもかなり気に入り、担当の編集者もOKだったのですが、‘上の方の人’にダメ出しされてしまいました。
(‘歴史’っぽいタイトルは地味だからダメ、ということのようでした。)
で、結局、
会計の時代だ
となってしまいました。
売れ行き的にはこの本は悪くないので(この『会計の時代だ』が売れたからこそ、2冊目のちくま新書会計学はこう考える』も出たので)、その点、不満はないのですが、
やはり、この本は‘歴史’の本なので、ちゃんとそのことが分かる『会計はどこからきたのか』で出せばよかった、
と今でも後悔しています。


なお、今回の『会計士の誕生』については、某教授から
「誰かの『○○○○○○○○○○○○○』のような嫌らしさがないと思いました」
というお褒め(?)のメールを戴きました。