続・禁煙(by友岡)

「ブログ見たけど、禁煙してるんですって。すごいじゃない」
「うんまあ。すごいってこともないけど。高校の時からずっと吸ってたからね」
「前からお酒のほうを気にしてたじゃない。肝臓とか。節酒はするかもしれないと思ったけど、禁煙するなんて驚いた。でも、よくやめられたわね」
「うん。ていうか、前にもこういう話したことあるけど、よく酒の席とかで言う話で、
どっちかやめなくちゃならないとしたら、酒と煙草、どっちがやめられるか、
みたいな話があって、で、ボクのこれまでの個人的な印象では、ほとんどの人が、煙草のほうがやめられる、って言うんだよね。っていうか、酒は人生の楽しみだから、酒のほうは絶対にやめられない、みたいな人がほとんどなんだよね。
でも、ボクはそうでもないんだよね」
「わたしもそう。煙草のほうがやめられない」
「そう、前もそう言ってたよね。
で、ボクの場合は、煙草がないと仕事ができない。原稿が書けないってことね。それから、酒がないと仕事のあとの楽しみがない。
で、どっちをとるかってことで、で、ボクは、仕事が好きだから、仕事ができないと嫌だから、意外と、煙草のほうがやめられない、酒のほうがやめられる、かな、っていうことだったんだよね」
「それがこんなことになっちゃって。それにしても努力しないでやめられてるの?」
「うん、まあね。
そうそう、禁煙すると煙草もライターも灰皿とかも全部捨てちゃう、みたいな人がよくいるけど、そういうふうにしちゃうと、もう絶対に吸えない、っていう感じで、強迫観念みたいなのに囚われちゃって、ますます苦しくなっちゃうような気がして。
で、だから、むしろ、煙草とかも捨てないで、そのままその辺に置いといたほうが、吸おうと思えばいつでも吸える、っていう感じで、強迫観念とかもなくて気が楽だと思うから、で、ボクはそういうふうにしてるんだけど。だから、禁煙した2007年11月8日木曜の夕方6時から、煙草もライターも灰皿とかも全部そのまま」
「へえ」
「そういえば、健康とかの話は別にして、禁煙して何かいいことはないかなって思って、で、例えばお金的に、どの位の節約になるかって、で、電卓たたいてみたんだけど、平均すると、1日に3箱位だったから、例えば3箱とすると、年に30万ちょっとなのね。で、年に30万じゃあ、たいしたことないなあって、で、ガッカリ」
「ふーん。わたしも、たいしたことないって思うけど、でもまあ、それはその人の金銭感覚によるもんね」
「そりゃまあそうだよね。いつだったか、禁煙サポートとかのウェブサイトをちょっと見てみたんだけど、喫煙のコストはどれくらいか、とかいうのが出てて、で、喫煙しないで煙草代を貯金していたら、どれくらい貯まってたか、何が買えてたか、とかいう表があって、で、10年で国産車、20年で高級外車が買えてた、とかいうんだけど」
「やっぱりまあ、たいしたことないわね。で、先生は何年なの?」
「えっ? 喫煙歴? ダメダメ、引っ掛からないよ」
「ちぇっ、ばれたか」
「でも、そういう、間接的に年(とし)を聞くのってあるよね。ボクもたまに、年を隠してるコに、例えばお兄さんがいるとかっていうのが分かってたら、『お兄さんといくつ違い?』って聞いといて、で、1週間とか、しばらく間を空けて、『お兄さんていくつ?』って聞いたりとか。引っ掛からないコもいるけど」
「でも、てことは、そんなんで引っ掛かるコもいるんだ。お馬鹿ね」