会計の稀覯書(by友岡)

たまには(?)会計関係の話。


この秋に図書館に購入希望を出していた稀覯書があったのですが、つい先日、購入が認められました。


わりと高価なものなので、この経費節減のご時勢では無理かとも思っていたのですが、いいものは購入する、という方針のようで、結構なことです。


Domenico Manzoni, Quaderno doppio col suo giornale, novamente composto, & diligentissimamente ordinato, secondo il costume di Venetia, 1540


ドメニコ・マンツォーニ著『ヴェネツィア方式で入念に構成された仕訳帳を備えた複式元帳』


この書はかの
ルカ・パチョーリ著『スムマ』(Luca Pacioli, Summa de Arithmetica, Geometria, Proportioni et Proportionalita, 1494)[*註]
に次ぐ簿記書として会計史上、大きな意味があります。


値段は800万円弱(値引き前)。


ちなみに、約20年前に(これもボクの希望により)購入されたルカ・パチョーリの『スムマ』は約1600万円(値引き前)で、当時、これまでに慶應が購入した本の中で最も高い、とのことでした。


(ただし、その数年後に慶應が購入したかの‘グーテンベルクの聖書’はなんと(!)約8億円。簡単に‘最高額の座’を明け渡してしまいました。)


値段の話はさておき、その他、会計史上、貴重な本としては、
ジャック・サヴァリ著『完全な商人』(Jacques Savary, Le parfait négociant, 1675)
も(これまたボクの希望により)1年ほど前に購入されています。

http://www.lib.keio.ac.jp/publication/medianet/article/016/01600860.html
http://www.lib.keio.ac.jp/publication/medianet/article/pdf/01600860.pdf


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*註 友岡「Luca Pacioli, Summa de Arithmetica, Geometria, Proportioni et Proportionalita, 1494.」『三田評論』907号(1989年10月号)。