面白い本を読むと不愉快になります。
自分もこんなのが書けたら……という、要するに嫉妬です。
昨日から、空き時間を見付けて或る本を読んでいるのですが、これが実に面白く、したがって、実に不愉快です。
ちなみに、歴史研究の本です。
ところで、歴史研究というものは、会計史だろうと、経済史だろうと、どの分野の歴史でも、
研究の意義といったものについて‘言い訳めいたこと’を述べなければならない感じがあります。
「歴史に学ぶことによって、今日的な諸問題の解決策を見出すことができる」
などといった尤もらしいことを取って付けたように言わなければならない、ということです。
そうした言い訳をしないで、ただ、これこれこういうことがあった、といったように史実を述べただけでは、
読者に「So what?」と言われてしまう、ということです。
しかし、本当に面白い歴史研究は、別に尤もらしい意義など示さなくても、
語られた歴史それ自体でもって「So what?」とは言わせないものです。
というわけで、ボク的には「So what?」と言えない本を読みながら、実に不愉快です。