傍線

近頃は新たに本を買うよりも、前に読んだ本を読み返しています。

 

ボクは、小説等の場合にも、気に入った一節(気になった一節)に傍線を引きながら読む、ということは前にも書いたことがありますが、

前に読んだ本の読み返しは、この一節に線を引きたい、と思った何年か前の自分との遭遇、を意味します。

 

「何もしないでいることの悪い点は、記憶がうしろに流れないことだ」(『冷静と情熱のあいだ』p.146)

 

「人の居場所なんてね、誰かの胸の中にしかないのよ」(同上、p.222)

 

「人は、その人の人生のある場所に帰るのではない。その人のいる場所に、人生があるのだ」(同上、p.265)