贅沢なひととき(by友岡)

まずは一昨年にフランス語版、今年になってオランダ語版が購入された
シモン・ステヴィン著『数学覚書』(1605年〜1608年刊)
が会計史上、ルカ・パチョーリ著『スムマ』(1494年刊)にも匹敵する貴重書であることは既述の通りですが、
先日、そのフランス語版に関する紹介文を図書館の某誌に載せたのに続き、
今度はオランダ語版の方の紹介文を別の某誌に載せることになり、
そのための打ち合わせを兼ねて現物をチェックしてきました。


薄暗くて、静かで、涼しい図書館5階の貴重書室のテーブルに約19,000,000円(カタログ価格)のオランダ語版と約8,000,000円(同)のフランス語版を並べて、相違点を確認しながら、めくっていきます。


なかなか贅沢な作業で、色々な相違点もそれぞれに興味深く、とても心落ち着くひとときでした。


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ところで、改めて思いましたが、最初にフランス語版の発見&購入があり、そのあとで‘より貴重な’オランダ語版が発見されたからこそ、2冊も購入することができたわけで、これが逆だったら、オランダ語版の1冊しか購入できなかったに違いありません。


慶應義塾の緊縮財政の問題はさておき、コレクションの充実という意味では実に幸運でした。