紀要(by友岡)


昨日は久し振りに『三田商学研究』に掲載される論文の校正をしました。


『三田商学研究』に書くのは本当に久し振りです。


以前は年に6回、毎号連載、というときもありましたが、ここ数年は滅多に書いていません。


今回はどうして書いたのか、というと、昨年の秋頃に、2月号の原稿が足りないので誰か書いてくれませんか、という話があって、どういうわけか、じゃあ、たまには、という気になって原稿を出した、という、ただそれだけのことです。


ところで、原稿が足りないので誰か……、などというと、まるで学部(厳密には『三田商学研究』は商学部の紀要(定期刊行物)ではなく、慶應義塾大学商学会、という学会の紀要ですが)の研究活動が不活発みたいですが、決してそういうことではありません。
そもそも『三田商学研究』は隔月刊、つまり年(年度)に6冊(4月号・6月号・8月号・10月号・12月号・2月号)刊行されていますが、年に6冊、ちゃんと出し続けている、というのはそれだけでもかなり大したことです。例えば経済学部(経済学会)の『三田学会雑誌』は以前は年6冊でしたが、20年くらい前に年4冊になってしまっています。


また、このような大学の紀要については、紀要など無用、という声も聞かれ、特に、査読付きの学会誌に掲載された論文しか認めない、といった近年の風潮に味方する人たちにすれば、そうなのかもしれません。
しかし、やはり、‘読者(査読者を含む)を意識することなく、自分の書きたいものを自由に書ける場がある’というのはとても有り難いことです。


昨日は久し振りに『三田商学研究』のゲラ刷りをめくりながら、‘読者を意識することなく、書きたいものを連載していた頃’のことを思い出していました。
(今も、書きたいものしか書いていませんが。)