可哀想な『スムマ』(by友岡)

前に予告記事(?)を書いた貴重書展示会は今秋に開催されますが、その準備のためのMtg.がありました。


で、何をどう展示するかなど、色々検討しました。


で、‘目玉’はまずは下記の二つです(ベタですが)。


 ルカ・パチョーリ『スムマ』(1494年)
 福澤諭吉(訳)『帳合之法』(1873〜4年)


福澤の『帳合之法』については、慶應には福澤自筆の稿本があって、これは、慶應にしかない、ということで‘目玉’です。


パチョーリの『スムマ(算術、幾何、比、および比例に関する全書)』は20数年前に購入した時には
慶應がこれまでに購入した本の中で最も高い本’
でしたが、
その後、かのグーテンベルクの聖書が購入されたため、
‘桁違い’
(『スムマ』は約16,000,000円、グーテンベルクは約800,000,000円)
で‘1位の座’を譲り渡し、現在にいたっています。


で、いつもは貴重書室にしまってある『スムマ』を今回のMtg.の際に久し振りに見たのですが、時期が悪かったというか……。


というのは、先週、慶應義塾図書館開館100年記念式典があって、数日間だけグーテンベルクの聖書の特別展示があったため、数日前に‘1位’を見たばかり、だったからです。


グーテンベルクと比べれば、わりと地味だな、というのが久し振りに『スムマ』を見た第一印象で、
ちょっと可哀想な『スムマ』でした。